JR連合は5月10日、広島市内で第10回安全シンポジウムを開催し、全国各地からJR連合に結集する仲間約300名(九州からは約50名)が参加した。
10回目となる今シンポジウムは、「ヒューマンエラー」に着目し、テーマに「ヒューマンエラーにしっかりと向き合い組織の枠を超えた職場の安全に取り組もう!」が設定された。
JR産業は労働集約型産業といわれているものであることから「人」が関わる要素が極めて大きく、人間は必ずミスを犯すという大前提を強く認識する問題提起があった。
第10回安全シンポジウムは3部構成となっており、第1部ではJR西日本安全研究所の河合所長から「ヒューマンエラーを減らすために~ヒトの特性とヒューマンエラー」と題した講演を受けた。河合所長は、人の特性や過失・違反の仕組み等について詳しく研究されており、ヒューマンエラー発生のメカニズムやヒューマンエラーを削減するためには不安全な状態を減らしていくことが必要などとした考えを訴えた。
第2部では、JR西労組、新生テクノス労組、JR九州メンテナンス労組から各単組の取り組み報告を受けた。
第3部は「ヒューマンエラーにどのように向き合っていくか」と題したパネルディスカッションが開催され、JR東海ユニオン書記長の尾形氏のコーディネートのもと、6名のパネリストによる意見交換が行われた。ディスカッションでは、権威勾配の上位者(上司)が意見・指摘をお願いし、社員は自らの意見・考え・気持ちを声に出し、そのことに感謝することで仕事の質を高め、コミュニケーションの豊かなリスクに強いプロ集団を目指すという「アサーション」の取り組みを紹介するなど、参考になる事例が多数紹介された。
JR九州労組は、第10回安全シンポジウムを契機として、安全で社会に信頼されるJR産業づくりとすべてのJR関係労働者の幸せの実現にむけて取り組んでいくこととする。
更新日:2018-05-13 12:46