本部は2月26日、福岡市で「交通重点政策意見交換会」を開き、JR連合「21世紀の鉄道を考える議員フォーラム」議員をはじめ、福岡・佐賀両県の国会議員並びに次期衆議院議員選挙における福岡県各選挙区のJR九州労組推薦候補者、JR九州労組中央本部支部議員団会議所属議員、本部執行部など約30名が出席し意見交換を行った。
この「交通重点政策意見交換会」は、JR九州に課せられた労使では解決が難しい政治的政策課題について、JR九州労組が推薦する国会議員、地方議員らと意見交換を行っており、2008年度から毎年開催し今年で9回目を数える。株式上場後初めての開催となり、昨年11月より各地方本部でも各県選出の国会議員らとも意見交換を行っており、今年度最後の開催となった。
代表して挨拶した許斐中央執行委員長は、「株式上場したとは言え、基幹事業である鉄道事業はほとんどの路線で赤字」、「今後は経営安定基金も新幹線のリース料の一括返済を行った影響などにより運用益が見込めない」「三島特例等全ての税制支援措置は平成31年度から廃止される」など、JR九州の窮状を報告し活発な議論を訴えた。
その後、延時執行副委員長(政策部長)より、JR発足時からからの社員数の変遷、九州における人口減少による鉄道利用者数の減少や、相次ぐ自然災害における復旧費用はJR九州が全て負担している現状など、JR九州を取り巻く環境と課題について報告した。
意見交換では、出席者から「今後、株主から地方ローカル線を廃止すべきとの意見が出てくることが予想されるが、会社・労働組合としてどう対応していくのか」「ホームドア設置はどう対応していくのか」「公共交通の維持は、基本的人権に係ることである」などさまざまな意見が出された。
これに対し本部は、地方ローカル線の課題は「あくまで基幹事業が鉄道であり、安全の確保を前提として組合員の雇用確保、サービスの維持向上をはかったうえで鉄道ネットワークを維持していかなければならない」と応えるとともに、ホームドアについても「設置するにもホームの改良や設置後のメンテナンスなど多額の費用を要する。何らかの支援策が必要だ」と訴えた。
JR九州労組では、引き続きJR九州の経営安定化に資する政策課題の実現にむけ、JR連合やJR連合国会議員懇談会議員らと連携を深め取り組むこととしている。
更新日:2017-02-28 15:47